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   以前、某紙のデスクが「R25のような企画はうちにもあったが、出せなかった」と嘆いていたが、それはそうだろう。30年かけて既存の流通に乗せる形で売り上げてきた人間が権限を握る組織で、そういった新たな試みはなかなか生まれない。いや、若手の間には生まれることもあるが、実行はされない。

   要するに、一番最初にキノコの生えている場所を見つけ出すためには、ある程度人材を流出させてでも、新陳代謝させた方がトクだということだ。


   それにしても、35歳というのは実に面白い。キャリアに一区切りつけて外に飛び出す人間がいる一方で、いまだ大企業でかばん持ち、資料作成なんてやってる同期がいるのも事実だ。

   たまに同窓会などでそういうメンツが遭遇すると、なんだかとても不思議な気がする。「人は環境によって育つ」とはよく言うが、社会人になって最初の10年はもっとも重要な節目の時期だと思う。

   どちらが幸せな人生なのかは、三十路半ばではまだわからない。今のところ、キノコを探しに森の奥まで分け入って遭難した人間は知らないが、「寄らば大樹」狙いで木陰で休んでいるうちに、どんどん日陰が少なくなったと嘆いている人間は数え切れないほどに知っている。

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